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転職の最終面接の質問にはしっかり対策を
「一次二次と感触は良かったから、後は確認程度に最終面接…」なんて思っていませんか?
意思確認や条件交渉で終わる場合もありますが、一説では最終面接の通過率は30~50%と言われているので、油断してはいけません。
最終面接は今までと違って経営者や役員が出てくるので、長期的な経営視点で、長く会社に利益をもたらしてくれそうかというところを見られます。
今回は、編集部が人事の担当者として、いくつもの面接をしてきた経験から、最終面接での質問と対策を紹介していきます。
転職は最終面接こそ深い部分を見られるので、しっかり対策をしていきましょう。
1.最終面接は何が違うのか
最終と一次二次面接の違いは以下の通りです。
一次面接 | 二次面接 | 最終面接 | |
面接官 | 人事 | 現場責任者 | 役員、経営者 |
重視されること | ・業務能力 ・最低限の人間性 |
・リーダーシップ ・会社の人員と相性 |
・ビジョンへの共感 ・意欲 ・高いレベルのマナー |
見ているスパンの長さ | 1.2年 | 4.5年 | 10年以上 |
視点 | 現場でプレイヤーとして結果が出せるか | 10人規模のマネジメントができるか | 変化についていき会社を良くしていけるか |
転職の最終面接は、簡単にまとめると役員や経営者が面接官で、ビジョンへの共感や意欲、高いレベルのビジネスマナーを見られます。
1-1長期的な視点で見られる
一次二次の面接では、人としてしっかり受け答えできているか、基本的な能力があるか、実務を問題なくこなせそうか、という比較的表面的な点が見られます。
一方最終面接では長期的に数十人規模をまとめて仕事をしていける立場になれるか、会社や時代が変化しても結果を残し続けられるかというより深いところを見ています。
一次や二次は現場の人間なので、現場で結果を残してもらうという考え方しかできないので、能力で通過することができますが、最終面接では経営者視点で素質を見ています。
1-2ビジョンに共感しているかという点で見られる
一次と二次の面接を潜り抜けているので、能力や適性が合格ラインであることは分かっています。
最終面接において一番見られている点はビジョンに共感しているかという点です。
経営者視点で見ているので、10年20年のスパンで結果を出していけそうかということを見ています。
10年20年結果を出すには、今の能力も大切ですが、会社を好きになって会社のために頑張っていくことも非常に大切です。
またビジョンは決めた本人であることも多いので、最終面接では重視して見られます。
1-3一貫性があるか見られる
一次と二次の確認も行っていき、一貫性があり、誠実かといったところも見られます。
面接官は一次と二次の情報も頭に入れているので、最終面接で言っていたことや感じた人物像と違いがないか確認もしています。
言っていることや雰囲気が違った場合は一貫性がなく、信頼できないと判断する場合もあるので要注意です。
2.転職の最終面接は主に2つのパターン
最終面接はほとんどの場合、以下の2つのパターンのどちらかで進められていきます。
・雑談型
ここでは以上の転職の最終面接で、パターン別の対策を紹介していきます。
2-1質問回答型
最終面接はほぼ個人面接で、タイプは2つに分かれます。
その一つが質問回答型。一般的な面接です。
最終面接になると、相手はかなりロジックに強いですし、深堀りしてくるので、圧迫感を感じることもあります。
転職の最終面接はある程度覚悟をもって臨んでいくのが良いでしょう。
ただ、しっかりロジックを持って答えることができれば、面接はポンポン進んでいきます。
テンポもポンポンと進んでいくので、ついていけなくなったらいい加減に答えず、「ちょっと考える時間をもらっていいですか?」と少し時間をもらうようにしましょう。
2-2雑談型
役員や経営者であればコミュニケーション能力も非常に高いので、雑談をしているかのように最終面接が進んでいくパターンもあります。
雑談型の面接の場合の注意点は以下の2つです。
・話を聞く態度もしっかりする
「雑談っぽいなあ」と気を許して余計なことを話したり、敬語が雑になってしまうと評価はかなり下がってしまいます。
また雑談型の面接をする面接官であれば、お話し好きなので、話を聞くというところもしっかりやっていきましょう。
通常の仕事でも聞くということは非常に大切なので、聞く姿勢も見られています。
3.最終面接でよくされる質問
最終面接でもよくされる質問はほとんどどこも同じです。
以下の質問の答えを深掘りしていくことで最終面接の対策と共に自分の価値観をはっきりさせることも出来ます。
3-1簡単に自己紹介お願いします
面接官もこちらのことを前回の面接者から聞いているとはいえ、雰囲気を見るために最終面接でもこの質問をしてきます。
以下のことを簡潔にはきはきと答えましょう。
・最終学歴
・職歴と現職(前職)の簡単な説明
・力を入れていること得意なこと
ここで大きなアピールをする必要はないので、声を大きくはっきり話すことと、簡潔に話すことで第一印象を良くしましょう。
3-210年後どうなっていたいですか?
最終面接の要となる質問です。
成長していきたいという気持ちがないと、前職でいい結果を残していても最終面接は通過できません。
これまでの経験や好きなことから今後のキャリアプランを今一度整理をして、最終面接までに深掘りをしておきましょう。
3-3改めて長所と短所をお願いします
一次や二次でも聞いた長所短所を聞く理由としては、以下の2つを確認していると考えられます。
・その特徴がどう役に立つか
自分を理解できているかという点については、客観的に長所や短所を見ることができているかというのを自分の感覚と照らし合わせ考えています。
例えば面接官が「この人短気でせっかちそうだな」と感じているのに「長所は冷静なところです」と言うと、「この人は自分を理解できていないかもしれない、一緒に働いていくのは難しいかも」となってしまいます。
また経営に近い人物であれば、会社の将来を見据えた判断ができるので、その長所短所は会社にどのような影響をもたらすかを一次二次より明確に見てきます。
http://stensyoku.com/job%e2%80%90change/career/strength/
3-4弊社で具体的にどんな業務をやっていくかは理解していますか?
能力は誰にでも判断しやすいので、一次や二次面接で見ていきます。
最終面接では、企業が求職者に合っているか、この人を採用したら長期的に利益をもたらしてくれそうかを重視して見ていきます。
その一つとして、普段どのような業務をやっていくか理解しているか聞かれることがあります。
出来ることであれば最終面接より前に理解しておくのがベストですが、どうしてもわからない場合は、「私の認識ではこうなのですが、間違いありませんか?」といった聞き方をしていきましょう。
そもそもどういう風に働くのかわからない状態で内定をもらっても判断できないと思うので、一次面接の逆質問なりで、”もし入社させていただいたらまず何をしていくのか”を聞いてみましょう。
3-5競合他社と比べてどこに惹かれましたか?
正直似たような企業なんてたくさんあります。
自分なりに理由を作っておかないと、働いている最中「やっぱりあっちの企業にしておけばよかった」となりモチベーションを失わないよう、その中でもなぜその会社を選んだのかを聞きます。
他社と比較して、分析をしておかないと、最終面接でいい加減な印象を与えます。
最終面接では何年もそこで働いていて、その企業に文化や業務が染みついている人なので、明確に見極めるために聞いてきます。
3-6家族構成を教えてください
環境は人に大きな影響を及ぼすので、その人を知るためにパーソナルな質問もされます。
家族構成や、何故高校や大学を選んだか、どのような友達が多いかなど、あなたの根本はどういう人なのか何を大切にする人なのかというところまで見たいのでこういった質問をしてきます。
4.最終面接の逆質問
「最後に何か質問はありませんか?」という逆質問。
最終面接だからと言って油断せず対策していきましょう。
4-1最終面接でも逆質問は必要
最終面接までなると逆質問も尽きてくるかとは思いますが、最終面接も逆質問は大切です。
面接の評価としてもそうですし、働くにあたっても100人以上の会社であれば、役員以上と接することは少ないので、ここでしか聞けないことを聞いてみましょう。
4-2逆質問の考え方
一次や二次では具体的にどんな仕事をしていくかや中途でどういった人が活躍しているかといったように質問していくとより現場を知ることができます。
最終面接になってくると、決定権もあり長くこの会社で働いてきた面接官との面接なので、視座の高いことやビジョンについて聞いていくことで、逆質問を実のあるものにしていけます。
4-3逆質問例
転職の最終面接でおすすめの逆質問を紹介していきます。
良い質問を自分で思いつくのが一番いいですが、どうしても思いつかない場合、以下のことも使ってみてください。
優秀な人材を社内にとどめておくためにどのような努力をしていますか?
企業は人で動いていて、優秀な人がいなければ企業として成り立っていけませんので、会社存続としても気になるところです。
またこの質問をすることによって上り詰めてやるというイメージも与えられるので、印象も良くなっていきます。
私は○○社とは××の点で違いがあると思っているのですが、それ以外で違いはありますか?
競合他社との違いは非常に大事ですので、こういった質問も自分の仮説をぶつけながらすることで、より企業のことを知ることができます。
役員以上であれば会社に強い思い入れがあると思うので、逆に企業側の魅力ポイントを語ってもらえることもあります。
今後、○○の事業を展開されると見たのですが、そちらに参加することは可能でしょうか?
今の応募条件の場所だけでなく企業の目指している新しい事業や展開に参加できるかを聞くと、企業の戦略に共感しているのと、意欲的な面を見せることができます。
企業の方向性や新しい事業を調べそアピールしていきましょう。
5.最終面接で不採用になるパターン
最終面接はどの企業でも突拍子のないことはせず、ほとんど同じ形式で行われます。
そのため不採用になるパターンもある程度固定されるので、チェックして当てはまっていないか確認していきましょう。
5-1会社と価値観が合わない
最終面接は長期的に会社を好きになってもらえるか、将来この会社を背負っていけるような人物になれるかを見ているので、あなたのパーソナリティから企業と価値観が合うかを見ています。
仮に外資系コンサルティングファームで抜群に結果を残していても、論理派の側面が強く、アットホームなベンチャー企業に採用を見送られることもあります。
価値観が全く合わないのであればしょうがないですが、ほとんどの企業は合っている部分と合っていない部分があると思うので、合う面をプッシュできるよう対策を練っていきましょう。
5-2マナーがなっていない
役員や経営者だとほとんどが40歳以上で60代も珍しくないです。
マナーにうるさい面もあり、マナーがなっていないだけで何を言っても印象を良くできない場合があります。
相手がフランクなら多少崩してもいいかもしれませんが、そうでなければ服装や言葉使いは硬くいきましょう。
5-3勉強不足
面接は情報戦です。
どうすれば最終面接を通過できるかや、志望企業の特徴、競合他社との違い、業界の動向などは勉強しておかないと、面接の質問に答えられず不採用になります。
どんな情報もためになることがあるので、自分のレベルアップの一環としてその企業の情報も入れていきましょう。
5-4自分や企業に関することの深堀りが甘い
最終面接の大きな特徴は深掘りされることです。
「それってどういうこと?」「具体的には?」「なぜそう思ったの?」と志望動機や自分の強みを話した後さらに質問がきます。
その質問にしっかり答えるためにはあらかじめ自分で深掘りをしておかない最終面接を通過できません。
自分の考えた回答に対して、上記の「なぜ」や「具体的に」ということをぶつけてみて、自分で答えていくことで、深掘りできます。
6.最終面接の対策で必要なこと
最後に最終面接対策で具体的に行っておくべきことをまとめました。
意外と時間のかかることですし、最終面接対策は一次や二次の対策にもなるので、取り組んでいきましょう。
6-1その企業でなくてはいけない理由を深堀り
最終面接のキーワードは価値観、意欲、マナーです。
価値観が合うかと意欲をアピールするためにはなぜその企業でなくてはいけないかを語っていく必要があります。
なんとなくではなく言語化して、他の企業ではダメな理由を探していきましょう。
6-2応募企業を徹底的に調べる
応募企業の情報を見つくしている自信はありますか?
・会社四季報を読む
・業界のニュースを調べる
・転職エージェントに情報を聞く
・実際働いている人に会いに行く
・転職口コミサイトを見る
など多角的に徹底的に応募企業を調べることで、最終面接に通過しやすくなるのはもちろん、入社後のミスマッチも減ります。
6-3パーソナルなことについても整理をしておく
長期的に企業で仕事をしていってもらえるか見るために、かなりパーソナルな質問をされます。
自分の今の価値観や能力はなぜ身に付いたのか、なぜそのように考えるのか、今までの大きな選択は何を基準にしてきたかなぜそれを基準にしてきたのかなどパーソナルなことを自分の中で整理しておきましょう。
自分が面接官だとしてこういわれたらどんな質問ができるだろうと考えることでも深掘りは進みます。
最終面接は質問に対してしっかり対策をしよう
今回は、最終面接で、よくされる質問、対策法について紹介しました。
細かいことになりますが、最終面接は経営者や役員が出てきて、価値観と意欲とマナーを今まで以上に見られます。
最終面接の通過率は30~50%と言われていますが、質問に対する対策をすることで100%に近づけることができます。
油断をせずに自分がいかにその企業で役に立てるのかを根拠をもって語っていきましょう。