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分かりやすい話し方ってカンタンにできる?
実は人にちゃんと事実を伝えるのってとても難しいです。
私も研修の一環として、2人一組で一方が紙に書かれた以下の図の渡され、もう一方は言葉で伝えられた情報だけでこの図を正しく書けるかといったことをやりましたが、20組近くいてある程度正しく書けたという組は1組か2組でした。
このように決まりきっていることすら伝えるのが難しいのであれば、普段の仕事で話すもっと複雑なことはなおさら伝わりにくいです。
しかし分かりやすい説明の仕方はコツさえつかめば、比較的簡単に技術として身に着けることができます。
今回はそんなコミュニケーションを客観的にしていき、分かりやすい話し方をするために必要なことを全て紹介していくので、ぜひ仕事の成果を上げるコミュニケーション能力を身に着けてください。
分かりやすい話し方は相手目線で言葉を選んでいくのが大切
まず大前提として、伝えるということは相手がいることなので、相手の立場になって言葉を選んでいくことが大切です。
当たり前だろと思うかもしれませんが、常に意識していないと人間は相手は自分の知っていることは知っていると思ってしまいがちです。
また自分に知識がつけばつくほど、当たり前のように相手にわからない知識を披露してしまいます。
分かりやすい話し方をしていくには「相手目線で話すことが大切」と分かっているものの、無意識に自分基準になってしまうので、このことを意識するだけでも、かなり理解される説明ができるようになるでしょう。
そしてこの後から、相手目線で言葉を選ぶにはどういたら良いかということを具体的に紹介していきます。
分かりやすい話し方をする人の特徴
まず初めにわかりやすい話し方をする人の特徴を紹介していきます。
分かりやすい話し方をするとは、相手に合わせた話し方をするということなので、決まった話し方をするのではなく、相手に合わせられる能力が必要です。
まずは、分かりやすい話し方をする人の特徴を紹介していくので、しっかりチェックしていきましょう。
相手の視点で物事を話すことができる
分かりやすい話し方をするにあたって、”どんな相手に話すのか”ということが非常に重要になってきます。
話す中身は同じだったとしても、友達に話すのと、会社の重役に話すのでは、内容を変えるのは当たり前だと思います。
そういった大きな違いだけでなく、
- 相手はどういったことに関心を持っているのか
- 相手は話すことにどれほど詳しいのか
- どういうペースで話を進めているか
- 相手は論理的か感情的か
など相手のタイプによって、分かりやすい話し方は変わってきます。
そのため分かりやすい話し方をできる人は、相手の視点で話すことができる人と言えるでしょう。
表情や身振り手振りが豊か
一説によると、人が話を聞くとき、聴覚からの話の内容より、視覚からの表情や身振り手振りの方が大きく感じられると言われています。
つまり、良い内容の話を悲しそうに話したら、悲しい内容を話していると感じるということです。
そのため、分かりやすい話し方をする人の特徴としては、身振り手振りや表情を話に合わせて変えているということが挙げられます。
論理的思考力がある
雑談のようなコミュニケーションであれば感情も大切ですが、ビジネスで分かりやすい話し方をするといった点では、論理的思考力が大切です。
論理的とは、客観的事実や、データなどに基づくことなので、すべての人に分かりやすい話し方をしていくには、論理的思考力が大切になってきます。
論理的思考力というとお堅いイメージがあるかとも思いますが、しっかり身に着けると、仕事で使えるコミュニケーション能力を上げることもできるので、分かりやすい話し方ができる人は、論理的思考力があると言えるでしょう。
分かりやすい話し方の3つのポイント
早速わかりやすい話し方のコツを3つ紹介していきます。
どれも分かりやすい話し方をするのに非常に大切なので、しっかり頭の中に入れて、常に意識するようにしていきましょう。
1.相手に合わせた言葉使いをする
伝説のプレゼンと言われている、「スティーブ・ジョブズのアイフォン発表のプレゼン」は、小学生でもわかるような言葉しか使われていません。
話している内容の中にわからないことがいくつもあると、話は全く入ってこないからです。
かといって専門知識を専門家に話す際に簡単な言葉しか使わないと、あまりいい印象を与えません。
分かりやすい説明をしていくには、どういった層が何のために聞くのかしっかり確認して相手に合わせた内容にしていきましょう。
不特定多数や初対面の場合には言葉のレベルは小学生でもわかる内容にするのがいいです。
2.短く簡単な言葉で伝える
本を全て暗記はできなくても、名言は頭に残ったりしますよね。
当たり前ですが、短く意味がはっきりしているものの方が頭に残りやすいです。
分かりやすい話し方にもそれは応用できるので、できるだけ短い言葉で伝えるよう工夫しましょう。
短くすればするほど相手も理解しやすくなるので、どんなに説明が下手な人でも余計な言葉を削っていくだけで、話が分かりやすくなります。
そのため、分かりやすい説明を身に着けるには、日ごろから一言で表現する練習をしていきましょう。
頭の良い人ほど簡単で的確な言葉を使い、相手に理解を促し説得していきます。
相手も長い話をされても聞いていないか自分なりにまとめて記憶しているかなので、分かりやすい説明を身に着けるには、まず短くして記憶しやすいようにする癖をつけましょう。
3.まず自分の中で整理する
説明が分かりやすいことで有名な池上彰さんも、伝える力の神髄を語った著書伝える力 の中で言っていますが、まず自分が理解していないのに相手に理解させようなんて無理です。
分かりやすい説明をするには、自分が理解するよりも何倍の力が必要で、とことん理解することに努めるべきです。
また伝言ような話でも自分で理解していないと、まったく相手に響かず、何か疑問が沸いても答えられないので、しっかり自分の中で整理して理解した状態で伝えるよう心がけましょう。
自分の中で上手く整理を出来るようになるため、本を読んで整理をしたりをしていくと自分の中で整理する力が身についていきます。
相手に理解される分かりやすい話し方をする8つの方法
では、ここからは具体的にどういった話し方をすれば、分かりやすい話し方ができるのかというすぐに使える方法を紹介していきます。
分かりやすい話し方のポイントで紹介した点は頭に入れつつ、これから紹介する方法をしっかり取り入れていきましょう。
1.何を話すのかをまず話す
分かりやすい話をするためには、まず何を話しているかの全体像を言ってしまいましょう。
意外と出来ていない人が多いので、普段から意識していきましょう。
プレゼンのような場面でも、上司に対する報告でも、まずは「○○の件で、××について、△△を話します」と言ってしまうと相手も何の話がどのくらい続くのかわかるので、聞きやすくなります。
上記のように悪い例では余計なことが入っているせいで、要点がはっきりせず相手にストレスも与えてしまいます。
話す際は、まず何を話すのかというその話の題名から伝えていきましょう。
2.一文を短く区切る
一文が長くなってしまうと結論が見えにくくなり、結局何が言いたいのかわからなくなってしまいます。
文にするとくどいというのがよく分かりますが、自分で話をしていると結構多くの人が、文章を区切らず話し、内容を伝わりにくくしてしまっています。
これは非常にもったいないですし、大学生から起業家や大企業の役員まで色んな人の話を聞いてきましたが、8割程度の人は、一文が長く分かりにくくなっています。
そのためこれをできるだけで、かなり話が伝わりやすくなり、差別化になるので、ぜひやっていってください。
また内容としては、基本的に一文長くても60文字程度が良いと言われていますが、話してたらよく分からないと思います。
なのでほとんどの人は普段の会話では一文が長くなりがちなので、分かりやすい説明をしていくには、切りすぎるくらい切るつもりで話していきましょう。
3.述語(結論)を前に持ってくる
日本語の構造的に述語が最後になるので、分かりづらくなります。
なので日本人は話が分かりづらいと言われがちです。
英語をイメージして、「○○は△△です、なぜなら~~だからです」といったいい方を使うと相手も理解しやすくなります。
人の集中力は15分程度しかもたないと言われていたり、インターネットの影響で人の集中力の持つ時間もどんどん減っていると言われているので、結論から言わないと伝わらないでしょう。
人はそこまで人の話を長く聞いていられないので、分かりやすい説明をするために、まず結論から話す癖をつけましょう。
4.大事なことから話し始める
人の集中力は15分経ったくらいから落ち始めると言われているので、相手の話に対する理解力も下がっていきます。
短く収めるのがベストですが、長い話やいくつも話すことがある場合、大事なこと(大事なところ)から話していきましょう。
交渉や面白い話をする際はまた変わってきますが、分かりやすい説明をするためには大事なことから話すことが重要です。
また大事というのも自分が大事に思っていることではなく、相手が求めている情報、相手に聞かれたことなど相手にとって大事なことになってきます。
分かりやすい説明をするには、相手が何を知りたいのか理解し、これだけは理解してもらいたいことをまとめそこから伝えるようにしていきましょう。
5.相手をよく見て話す
話の内容よりも、表情や立ち振る舞いの方が印象に残りやすいです。
極端な話、自信なくボソボソと良い事を言うより、自信満々に普通のことを言う方が良いことを言っていると相手は感じます。
また目を見て話すと“あなたに伝えたくて話しています”といった意志が伝わるので、相手も聞いてくれやすくなります。
話をする際に目を合わせないと相手も「何かやましいことがあるのかな」と思ってしまうので、分かりやすい説明には、相手をよく見ることが必要でしょう。
目を見るのが難しくても、せめて口元を見るようにしていきましょう。
6.大きな声で話す
こちらも上記と同じように姿勢の話です。
小さな声で話すと、聞き取ることと理解することの2つの点に意識を置かなくてはならないので、話を理解してもらいづらくなります。
自分の声は思ったより小さく出ていることがほとんどなので、少しうるさいくらいの声で話すとちょうどよさそうです。
7.具体的な言葉を使う
かなりや大体など抽象的な言葉が多いと、聞き手はそれの程度をイメージしながら聞かなくてはならないので、理解が遅くなります。
数字を使ったり、言いきりをして話の具体性を高めていきましょう。
下記のようにあいまいな言葉や主観的な表現を無くし、客観的に理解できる表現を心がけると、相手も理解しやすくなります。
×かなりいいです ◎120%で推移しています
8.固有名詞を出来るだけ避ける
仲間内ならいいのですが少し離れている相手だと固有名詞は通じにくいのでできるだけ避け、分かりやすい表現に変えた方が良いです。
知らない固有名詞が多く出てくると、マニュアルに従っているだけだと思われ話を聞く価値がないと思われます。
どうしても使わなくてはならない場合も端的にその固有名詞について説明しましょう。大前提として相手の目線で言葉を選ぶということが絶対条件です。
分かりやすい話し方のトレーニング方法
ここからは、普段からやっておくと分かりやすい話し方が身に着くトレーニング方法について紹介していきます。
普段からトレーニングをすることで、圧倒的に分かりやすい話し方ができるようになるので、一つ一つやっていきましょう。
テレビ番組を見る
テレビもメディアとして、プレゼンをしているのと同然なので、分かりやすい話し方をするのに非常に役に立ちます。
池上彰さんや林修さんなどの教養人はもちろん、起業家にインタビューをしているものや、お笑い番組、通販番組なんかも分かりやすい話し方をするのに非常に役に立ちます。
ただ、ボケっとテレビを見るのではなく、”この話はなぜ伝わりやすいのか”逆に”なぜこの話はむずかしく聞こえるのか”といったことを分析しながら見ていくと良いでしょう。
テレビ番組では、ユーモアを交えているものが多いので、お堅い伝え方だけでなく、人から好感を持たれるようなコミュニケーションができるようになるので、非常におすすめです。
他人と話す機会を作る
今まで話したことがある人だと、あなたのことを知っているので話が伝わりやすいです。
ただ他人であれば、話し方が全てですし、あなたに好感を持つかもわからないので、良い訓練になるでしょう。
赤の他人でなかったとしても、”あまり話さない人と話してみる””新しいコミュニティに参加してみる”といったことを頻繁にしていると、分かりやすい話し方が身に着くようになります。
とにかく話す
仕事でも雑談でも、分かりやすい話し方をするためには、とにかく話す量を増やすことをおすすめします。
やはり打席に立つ回数が多ければ、上手くいくことも増えて上達もしていくので、たくさん話すことは大切でしょう。
ただ適当に話すのではなく、先ほど紹介したポイントをしっかり意識した上で、話す量を増やしていきましょう。
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分かりやすい話し方をするにはコツを抑えよう!
今回は、相手に理解していもらえる分かりやすい説明について紹介しました。
分かりやすい説明の一番のコツは“相手のために話すこと”です。
また相手に理解される分かりやすい話し方をおさらいすると
- 何を話すのかをまず話す
- 一文を短く区切る
- 述語(結論)を早めに言う
- 大事なことから話し始める
- 相手をよく見て話す
- 大きな声で話す
- 具体的な言葉を使う
- 固有名詞を出来るだけ避ける
と言った内容になっています
人は基本的に自分主体で考えてしまい、自分が知っていることは相手も知っていると思ってしまいがちなので、相手のことを考え伝わりやすい説明を心がけていきましょう。
よく分からなくても、話すときに出来るだけ相手を観察する癖をつければ少しずつ分かってくるようになります。